隠し剣秋風抄を読了
藤沢周平著の隠し剣シリーズ第二弾「隠し剣秋風抄」を読了。
9つの短編が収録されている。
この中で、最も印象的なものは、盲目剣谺返しだ。
主人公の三村新之氶は、ある日、眼に光を失って、家の中に引きこもる。そうして1年半過ぎた頃に、妻の加代の家に戻る時刻が度々遅くなってきたのだ。なぜ遅くなるのだろうか。
こんな出だしからとても面白い。そしてエンディングは泣けてくるのだ。
剣客小説は数多いけれど、こんな深く余韻を残す小説があっただろうか。
隠し剣秋風抄新装版 |