漆の実のみのる国(上)(下)を読了
藤沢周平著の「漆の実のみのる国」(上)(下)を読了。
米沢藩の藩主上杉鷹山を主人公に、極貧の生活をあえぎ、改革に進む姿を描いたもの。藩主自ら、一汁一菜に絞り、木綿を着て、藩政の立て直しに挑んだ。
相次ぐ減封による藩政の悪化が原因だけれど、解決策の立て方が難しいのは、現代と一緒だ。予算カットを続ければ、どんどん収入も右肩下がりになる。活気のある地域のあり方が求められる。
地方創生と言われているこの時代にあって、どのような地域創生が良いのか。地に足のついた産業振興ができているだろうか、持続可能な稼げる地域になっているだろうか、補助金をあてにしているだけじゃないかもう一度考えてみるしかないだろうか。
明治に、英国婦人イザベル・バードは、米沢盆地を訪れ、美しい農地のあり方を「日本のアルカディア」と呼んだとのこと。この言葉に現れてくるものが、上杉鷹山と藩のたゆまぬ努力の結果だったのであろう。
漆の実のみのる国(上) |
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