又蔵の火を読了
慌ただしかった年の瀬もあと少しでおしまいだ。煩悩スイムと称して50mを108本泳いだけれど、煩悩は果たして取り払えたであろうか。来年も、良い年でありますようお祈りします。
年の瀬に、藤沢周平著の初期の頃の名作品「又蔵の火」を読了した。
こんなストーリーだ。
一族の面汚しとして死んだ放蕩者の兄のため、理不尽ともいえる仇討ちを追いに挑む又蔵。鮮烈かつ哀切極まる決闘場面の感動が語り継がれる表題作の他、島帰りの男と彼を慕う娘との束の間の幸せを描いた「破れた月」など「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものを背中に押されて生き、あるいは死ぬ」と作者が語った初期の名品集。
今回のシリーズは、しがない武士が主人公というわけではなく、放蕩者の話だ。諦めのようなものがいつもつきまとっているような気がしてならない。そんな暗い気分になるようだけれど、きっと現代にも通じる部分が多い。いや、自分のことかもしれないと感じた。
又蔵の火新装版 |