塩野七生著の「皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)」を読了。
神聖ローマ帝国の皇帝であり、シチリア王国の王でもあったフリードリッヒ二世は、当時、ことあるたびにローマ法王と衝突。
皇帝は2度も破門されながら、それをものともせずに、資金力、軍事力を背景に、法王とたたかう姿が描かれている。
それも、活き活きと描かれているところが面白い。これぞ塩野七生の著書だ。
政教分離は現代においては当然のことであるが、当時は「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」ということも憚られたようだ。
こうした矛盾を抱えた中世をすこしずつではあるが解決して、200年後に咲き誇るルネッサンス文化を迎えることになる。
フリードリッヒ二世のころから、ルネッサンス文化の種が植えられ発芽しつつあったのだ。
皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下) |