『東京震災記』(田山花袋著)を再読
年末の大掃除のときに、ひょんなところから出てきた本を再読。これも出会いかもしれないと思って読む。
大正12年に発生した関東大震災を目の当たりにした田山花袋の現地報告だ。有名な「布団』も読んだことが無かったけれど、今回の「東京震災記』はリアルな写実と心の揺れ動きが、緻密に描かれている。特に、東日本大震災を経験した日本人には強烈なインパクトなのではないか。
この小説にも、真砂町の状況が次の通り少しだけ描かれていた。たしかに、真砂町は、関東大震災でも消失することを免れたらしく、歴史を感じさせる建物が多いしね。
・その中、いろいろなことがわかってきて、本郷は大丈夫だというので、一時頃真砂町へ皆なして揃って行きました。無事で、誰一人怪我人も無かったということは、主人公が早くから決心をして、専念避難ということを心がけたからだと思いますね・・・・・。家具や道具を焼くくらいのことは、この場合どうしてもしようがありませんからな。誰だって皆な焼いたんですからな』こうN君は話しつづけた。
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